ドイツワイン物語

国歌とワイン

2019.02.21

国歌の語義は広辞苑によると、「国家的祭典や国際的行事で国民および国家を代表するものとして歌われるもの」となっていますが、最近、日本ではサッカーのワールドカップやプロ野球の会場でも歌われ、すっかり庶民に溶け込んで、国歌が近代西洋に生まれ、外交儀礼として演奏された本来の目的とは異なった歌われ方がされています。 日本国歌は開国した幕末に、十世紀に編纂された「古今和歌集」の中の『我が君は 千代に八千代に さざれ石の いわおとなりて 苔の蒸すまで』の元歌から「我が君は」を「君が代は」に代えて曲を付けたとされています。 当時、和歌での「君」は天皇のことを指していたことから、戦後G・H・Qから歌うことを禁止… もっと読む »

4. Weingut Vereinigte Hospitien Trier トリアー慈善協会醸造所

2019.02.02

Hospitien Trier 銘醸ワインで慈善事業をおこなうトリアー慈善協会 トリアー慈善協会は、紀元640年ベネディクト派聖イルミナ尼僧院として創立されました。僧院はフランコニア王の宮殿で、地下には古代ローマの貯蔵庫として使用されていた地下倉があり、現代ドイツで最古のワインセラーとなっています。 1805年修道院は、ナポレオンの勅令により還俗され、貧者のための病院、孤児院、養老院が修道院の塀に囲まれた敷地の中に統合されました。そして、その運営資金の確保のため、モーゼル川各地に散在する修道院や協会のブドウ畑を慈善協会の傘下に加えました。その後、王族、貴族所有ブドウ畑も寄進され、建物の一部は今… もっと読む »

王侯貴族とワイン

2019.02.02

ドイツのワイン文化史から、王侯貴族、権力者達にとってワインは単なる飲物ではなく、美酒とそれを造る酒蔵を所有することが、権力の象徴として一つのステータスだったことが分ります。約八千年前、メソポタミアのシュメール人によって、初めて造られたとされるワインが、ドイツに伝えられたのは、紀元前一世紀、古代ローマ国王・カエサルのガリア遠征の折、居城を築いたモーゼル・トリアーで、兵士達にとって必要不可欠なワインを、土着のクルド人に造らせた時とされています。 三世紀に入るとローマ帝国の国王・プロブスによって、ライン河流域に拡がり、更に八世紀半ばから九世紀初頭にかけて、ヨーロッパに覇を唱えたフランク王国のカール大… もっと読む »

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